その言葉に、亮は目を丸くして千暁を見た。


亮はてっきり、もう理央奈には関わらない方が良いと言われると思っていたからだ。


「俺だって、血が凍ってる訳じゃねぇし。どうなるかは分かんねぇけど、出来る限りのことは手伝ってやる」


「……千暁さん」


亮が千暁を見ると、千暁は照れた様に頭をかいて言った。


「あーもう、やめやめ!俺、こういう湿っぽい雰囲気苦手なんだって」


そう言うと、亮に背中を向け部屋から出る。


「あっ、ちぃにぃ、りょうにぃとお話終わったの―?」


「あぁ。理央奈、明日から俺も毎日ここに来るからな」


「げっ、毎日来るんですか?!」


「おい圭人、げって何だげって」


部屋の外から、そんな会話が聞こえて来る。


亮は、部屋の外にいる千暁に、深々と頭を下げた。