今度は真面目に、彼氏との出会いについて感想を伺ってみた。


 アイリスはうっとりとした表情で答える。


「お互い、運命的な出会いかもって思っているの。私、相手の顔を見てビビッと感じたし」


 ヒュー!


 ロマンチックな感想である。


「写真か何か、持っている?」と私。


「どうかしたの?」


「彼氏の顔を見てみたいから」


「写メならあるけど、イイかしら?」


「上等上等。私のケータイに送って」


 アイリスはさっそく、私のケータイに写メを送信してくれた。


 転送されたばかりの写真をチェックしてみる。


「最初のデートの時に、写したのよね」


 グラスの冷水をグィッと飲み干したアイリス。


 うん。


 確かに…、あの男である。


 参加番号は6。


 髪を真ん中から分けた、やや面長の顔にスラリとした長身の後藤雅治だ。


 メガネを掛けているので一見、真面目風に見える。