もちろん、この男には理由が有るのだ。


 元々、雅治が出席するんじゃなくて無くて別の人が出る予定だった。


 ところがその人…


 前の日になって熱出してキャンセルしてしまった。


「だから俺が、代わりに出たってワケ」


「なーんで雅治なの?」


「他の連中から、出ろ出ろってしつこかったからよ。最初は断ったけど、サクラでイイから出ろって言われたし」


「しぶしぶ了解したってワケ?
 にしては、パーティーの時は嬉しそうに騒いでいたよねー?」


「俺はああ言うコンパ的な事はキライじゃねーから」


「私に近づいたのは、どうして?」


「好みだったから」


「胸が大きいからかしら?」


 それまで大人しくしていた雅治は、苛立ちを募らせた。


 空のボトル缶をテーブルに強く叩き付ける。


「しつけーな! もう、イイだろう!?」