「キスも、してないわねー」


「やっぱり、アイリスらしく純潔を守っているんだ?」


「守るとか、処女捨てるとか…
 私はどうでもイイの」


「ある程度、一線を越えていないじゃん?」


「雅治の方がね」


「相手の方が?」


「こっちはいつでもOKなのに、雅治の方が自分から求めようとはしないの。男なんだから、もっと積極的に迫って欲しいって思っているのに」


「彼氏も草食系なんじゃないの? 口では色々カッコイイ事を言ってるけど、ホントは女の子の扱い方なんてまるで知らないとかさぁ」


「草食系だとか肉食系とは別として、雅治は女の子の扱い方は上手いわよ。ただねー」


「ただ?」


「何だか、私を強くは求めたがらないのよねー? ある程度は行っても、これ以上は遠慮するよって感じだし」


 私は考えてみた。


 その時、脳裏に浮かんだのは…


 U・WA・KI…。


「他に女がいるんじゃなーい?」


「雅治に?」