あたしは夢の中で男の子に、

『あなた、だれ...?』

そう聞くあたしに、男の子は整ったきれいな顔で微笑んだ。


何故かあたしはひどく懐かしく感じてしまう...



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ピピピピッ______



朝を合図する目覚ましが鳴った。



『ん~~~‥』



規則正しく鳴る、それを止めあたし、『速水 莉里(16)』は両腕を目一杯広げ盛大な伸びをしながらあくびをした。



今年から念願の憧れていた聖凌(せいりょう)高校に通う一年生。

入学式そうそう、遅刻をしないためいつもより早めにタイマーをセットしておいたのだ。


正直ベッドから出たくはなかったが学校の支度をしなくてはいけないので渋々ベッドから降りる。


支度をし、リビングに行くと朝食の良い匂いがした。


お母さんと少し会話をしていたら、

『あら、もうこんな時間。莉里、美咲ちゃんが待ってるんじゃない?』

そう言われ時計を見ると待ち合わせ時間ギリギリの時刻だった。


急いでカバンを持ち、
『行ってきますっ』とだけいい玄関を飛び出した。