「いやぁ、なんか珍しいと思って」
「珍しい?」
「そ。いつもは必要としないかぎり人の顔覚えないだろ?なのに一回あっただけの九条さんのことを覚えてたからさ。
だから、みんな驚いて口が開きっぱなしだったり、物珍しそうにおまえを見てたんだよ。」
変な空気の原因がわかり、竜也は内心動揺する。
……が、顔には出さず『へぇ』とだけ返した。
「いやいや、『へぇ』じゃなくてさ………九条さんに興味でも持ったわけ?それとも一目惚れした?」
興味津々に竜也を見る颯。
そんな彼から目を逸らし、竜也は再びボールを目で追った。

