その日から聖夜と付き合い始めた


凜乃にも、康祐君にも伝えた


凜乃は大泣きして喜んでくれた


『今は恨んでも、聖夜君なら絶対由愛を幸せにしてくれるよ!!』って言ってくれた


聖夜はあたしに約束してくれた


あたしが本気で聖夜を好きになるまでは何もしないって


まあ抱き締めるとか手ェ繋ぐとかは許すけどさ


聖夜は、あたしを本気で大切にしてくれた


傷のことも、気にかけてくれる


だけど、心のどこかで疑ってる


罪滅ぼしとか、同情とか


いつか裏切られるんじゃないかって


疑ってる自分が居る


「由愛、行くぞ?」


「あ、うん」


今日は土曜日


聖夜の家に遊びに行く


聖夜のお母さんは今日は居ないんだって


まあ居ても居なくてもいい


あたしは、許してないから


けど、本当はどこかで許してるんだと思う


「入って」


「お邪魔しまーす」


...あれ?


前来た時には玄関に写真が飾ってあったのに...


今日はどこにも写真がない