「由愛」
つい声を掛けてしまった
由愛が振り返る
「...どうしたの?家、こっちじゃないでしょ?」
「今日は由愛に用事があって」
「...あたし?」
まあ...用事はあるんだけど
「今から俺ん家、来てほしいんだけど」
「聖夜ん家?どうして」
「...見せたいものがあるから」
ない、全然ない
「どうしてあたしなの?」
「由愛じゃなきゃ見せれないから。由愛に見てみらいたいから」
「...今日じゃなきゃダメ?」
俺は頷く
「...ハァ...分かった、行くよ」
「良かった。近いからさ、来て」
「うん」
マンションについた
由愛はちょっと驚いてる
そりゃまあそうだろうけど...
あの距離から10分でつくなんてありえないし
「聖夜ってマンションなの?」
「うん、そうだよ」
「ふぅん...」
興味なさげに鼻を鳴らした

