夏の日の出来事



「あれ...由愛?」


「?」


由愛が振り返った


最悪だ...


由愛と会っちゃったよ...


やっぱ時間をずらすべきだったか


「聖夜...家、こっち?」


いや...違うんだけど...


「そう。由愛、その花どうすんの?」


「えっ...」


由愛の手には花束


俺はすぐに知った


親にあげるんだと


だけど、聞いてみた


俺は知らないという感じをかもしだすために


由愛は何も言わない


そりゃあ言えねえよな


俺、事故のこと知ってるわけじゃねえし...


「...言いたくないならいいけど、別に」


「ごめんね....」


何に対して?


言えなくてごめんってこと?


由愛が謝ることなんかなんもねえのに


俺の方が謝る方なんだけど...


俺、やっぱ一旦帰るべきか