夏の日の出来事



北野由愛の前に座る


...座ったのはいいけど...


教えてくれるか?


ンな初対面のヤローに教えてくれるわけねえよな


「...空、好きか?」


「え?」


それしか言えなかった


「俺も好きなんだ、空」


空を見上げる


最初に話したのはそんなこと


「お前、名前は?」


「名前?」


「そう。名前」


「...北野由愛です」


「ふぅん。俺、河野聖夜。聖夜って呼んで」


「聖夜...?」


「そ」


不審に思わねえか?


河野って苗字に...


だけど由愛は気にしてなかった


必死に空を見上げてた


...両親のことでも思い出してるのか?


そりゃな...


今日はコイツの親の命日だしな...


俺も、行くべきなのか?


でも由愛と会ったら話す羽目になるしな...