「はい、どうぞ」


テーブルに置かれるコーヒーの入ったコップ


その隣には手紙が置いてある


その文字はあどけない


『河野大介様』


「これ...」


「あぁ、親父宛ての手紙。今朝、母さんが持ってきた」


「ふぅん...」


「親父さ、その手紙大切に持ってたんだよね」


あたしにそんなこと言われても...


「...3年前の事故、親父の前方不注意で起こしたんだ。しかも相手の両親は亡くなったって聞いた」


「えっ...」


あたしの親と...一緒...


どういうこと...?


「それで両目の視力失っていまだに病院で入院してる」


ガチャッ


玄関のドアが開く音


「あら、聖夜。もう帰ったの?」


「あぁ、さっき帰った」


若くて綺麗な聖夜のお母さん


「こんにちは...」


どうしてだろう...


どこかで会ったような気がする...


お腹の傷がズキズキと痛みだす


「聖夜の彼女さん?」


「いえ、聖夜の友達の北野由愛です」


ペコッと頭を下げて挨拶をした