…ここはどこだろう。
殺風景な部屋。
私はベッドの上にいた。
隣には愛しい人の…
寝顔!?
「えっ!?」
「…ん、んん…」
ヤバッ!起きちゃう!
「んん……ララ!大丈夫か!?」
起こしちゃった…。
「だ、大丈夫だよ」
「そっか。…よかったぁー!」
「それより…ここは?」
「ん?俺ん家」
き…キキの家ー!?
「そ…そうなんだ!
め、迷惑かけてごめんね!?
じゃあ、帰るから!」
…―ガシッ!
帰ろうとした私の腕を掴んだキキ。
この状況って…ヤバいよね?
「もう…帰んのかよ…」
「えっ…きゃ!」
気付けば私は彼の腕の中にいた。
「きっ、キキ!わたしっ、帰んなきゃ…」
「…あっ…ごめんな?変なこと言って。
気を付けて帰れよ」
帰ると行ったのは私の方なのに
なぜか一瞬だけ、帰りたくないと思った。
キキの目があまりにも
寂しそうに見えたから。
「…ありがと」
「いや…お礼なら、あかりちゃんに…」
「あかり?」
「ああ。ララを襲ったやつを
追い出したのは、あかりちゃんなんだ」
あかりが追い出してくれたの…?
あかりも同じ女の子。
相当怖かっただろうに…
私の目からは自然と涙が溢れていた。
「でも、キキも助けてくれたんでしょ?」
「俺の家まで運んだだけだよ。
本当なら俺がララを襲ったやつを
退治しなきゃなんなかったのにな。
あかりちゃんって子は
正義感が相当強いんだな」
「そうなの!…いい…友達でしょ?」
「そうだな」
「犯人は、誰だったの?」
「俺は知らないけど
あかりちゃんなら知ってると思う」
「わかった、聞いてみる」
そう言って
わたしはキキの家を後にした。
