私は昨日のキキくんとの会話を
思い出していた―…。



「私、明日球技大会なんだぁ」
「俺も!なんか、急遽明日に変更された」
「なんで?」
「わかんねぇけど。
理事長命令らしい」
「そっか。お互い頑張ろうね」
「おう」



きっとキキくんも今頃
驚いているんだろうな。



急遽って、そういう意味だったのか。



「以上で、全校集会を終わります」



電話してみようかな?
でも…迷惑かな?



今は学校だし、やめておこう。



「ララ、早く行こ」
「うん」
「先輩!!先輩はこっちですよ」
来たー、隼人。
「あ、うん…あかり、凛ちゃん、ごめん」
「いいよ、いいよ。ララ、ファイト!」
あかりは私に
“キキくんとうまく行くといいね”
って感じの目線とウィンクをくれた…。
「凛も頑張る〜!ララちゃんもガンバ♪」



私…普通にバスケしたかった。
今更、遅いけど。



「先輩!ユニフォーム似合ってますね」
「ははっ…あり…がと」



隼人に言われても
正直嬉しくないわー。



「夏高に、絶対勝ちましょうね」
「う、うん…」
「…先輩。俺がホームラン打ったら…」



なんの褒美をくれって?



あの食いしん坊な隼人のことだ。
どーせパフェかなんかを奢れって
言うんだろう。



まぁ、ホームランなんて
打てるわけないし。いっか。



「俺と付き合ってください」
「え?」



思わず、すっとんきょうな声が漏れた。



返事に困る私って、どうなんだろう?



でもこれで私がフったら…
隼人はやる気をなくしてしまう?



でも私には
既に好きな人がいる。
雨宮キキという、とても素敵な人が。



私…どうしたらいいの!?