「先輩!」



私を呼んだのは
部活の後輩、白川隼人。



私の部活は陸上部。



小さい頃から走ることが大好きで
この高校に入ったのも
陸上部の成績が優秀だからだ。



隼人はとても足が速くて
私と0,3秒しか変わらない。
後輩なのに。



ちょっと不満だけど。



「何?」
「明日の球技大会
先輩は女子だからバスケですけど
男子の人数が足りないんで
男子の野球に来てもらえません!?」
「はぁーーーっ!?」



ありえない、ありえない…
ありえなぁーい!!



男子の中に女子一人とか…
死にに行くようなもんでしょ…!



でも…



私は前から困った人を見ると
助けてあげたくなる。



だからやっぱり今回も…



「んー…、まぁ…いいけど」
「あざぁーっす!」



あっさりOKしてしまった…。



明日は大波乱の一日だ。