*初恋*





私は俯きながら若干叫ぶような勢いで
名前を言う。


「むっ……
村山蜜柑ですっ!」


「村山さんね。
同じクラスだとイイねっ」


玉木くんはそう言って
私の頭から手を離した。


私は動揺から開放されたけど
まだなんか頭がポーッとしている。


顔が火照って熱い。


「じゃあそろそろ入学式始まるから
また後でねっ」


玉木くんはそう言って
校舎へ向かって行った。


私は去っていく玉木くんの背中を
ただぼーっと見つめていた。


(私……
どーしちゃったんだろう……)


まだ心臓がドキドキしている。
とりあえず深呼吸してみた。


けどうまく息が吸えない。


なんだかよく分からなくなって
とりあえず校舎へダッシュした。





そのときの私は
突然湧いたこの自分の気持ちに
まだ気づかなかった