†裕次郎Side†


恭平が部屋から出たあと、
私はため息をついた。



わたしは、
恭平らの主人でもあり、
姫華の父でもあり、
早乙女財閥の現社長である、
早乙女 裕次郎だ。



―――恭平は長い間、
姫華の執事として、
姫華の側にいた。


互いに想い合っていたが、
互いに気持ちを伝えることなく、
姫華は嫁に行った。