「“友達”の見送りに来たまでで
す」
「友達…だと?」
「えぇ。……ご存じなかったです
か?恭平さんとは、個人的に、仲
良くさせていただいていることを
」
「…………仮にそうだとしても。
……なぜ、彼女まで?」
―――眉間にシワをよせたまま、
旦那様の視線は、
あたしへと移った。
「このあと、仕事がありまして…
直接、向かう都合で」
「…………そうか」
「恭平。いってらっしゃい。頑張
って来いよ?」
「おぅ!!」
―――それから。
少し潤と話したけど、
恭平の視線が、
あたしに移ることは、
なかった―…。
………って、当たり前か…。

