「恭平。とりあえず部屋行くぞ」
ここじゃ、否が応でも目立つ。
―――魂が抜けたように、
呆然としている恭平を
引きずるように歩いて、
部屋に連れていった。
「きょうへ…「あれは、柚の本音
じゃない」」
「……あ?まぁ…そうだろうな」
―――部屋に入った途端、
恭平は話し始めた。
「親父に何か言われてるとか…?
潤、何か聞いてねぇ?」
「あ〜…李玖から少し…」
少しっつっても、
“恭平にウソをついた”
……ってことくらいだけど。
「柚、まだ俺のこと…その……」
“俺のこと、好きかな?”
―――不安そうな瞳で、
そう聞いてきた。
「……そんなの、自分が一番知っ
てるだろ?だいたい、柚は自分の
想いが他人(ヒト)に否定されたから
って、すぐに傾くようなやつじゃ
ねぇだろ」
―――今の柚を見てれば、
それがよくわかる。
柚は恭平を想ってる。
だから…あぁ言ったんだろ。

