「今度こそ、失礼しますね」
「―――恭平」
「………何?」
―――親父に
名前を呼ばれたのなんて、
もう思い出せないほど前の話で。
思わず…敬語を忘れてしまった。
「留学の話だが…「ご心配なく。
ちゃんと…行きますから」」
「…………え?」
「―――その代わり―…」
―――翔…ワリィ―…。
翔のキモチ、すっ…げー、
嬉しいよ。
けど…俺、やっぱり―…
………………………………
………………………
………………
「失礼しました」
―――せめて一回くらい。
親孝行しようと思う―…。
―――親父がこれで…
これだけでいいって
言ってくれるんなら…
立派な執事になれば、
それだけでいいんなら…
“3年くらい、クソ食らえ”

