「―――失礼します」

親父の部屋に入るなんて、
何年ぶりだ?


―――それくらい長いこと、
俺は入っていない。




「あぁ…来たか」

「………何ですか?」

―――俺は、
感情を持っちゃいけない。


ただただ、
親父の言葉に素直に頷けば、
それで…それだけでいい。



「お前は…覚えているか?代々我
が家で行われている“規則”を」

「規則…ですか?」

「あぁ」

―――規則?

そんなもの…あったか???


「いぇ……」

「―――留学をすること、だ」

「留学……ですか?」

―――留学…だと?


あぁ…だから、

めんどくさがりな朔や、翔が
フランスに行ってたのか……

………って!!

納得してる場合じゃねぇし!!