「…………フッ。くだらないな」
くだらない…ですって?
「それなら、恭平がいない生活を
日常にすればいい。ただそれだけ
のことだろう」
恭平がいない生活を、日常に…?
「……………」
「夏川 柚」
「は、はい」
「来月から君は、相楽家の使用人
になってもらう」
「…………はいっ?」
「引っ越しの準備をしておけ」
「それって…」
「クビだ」
「…………………っっ…」
「……だがな、私もそこまで鬼で
はない。次の仕事場くらいはくれ
てやろう。それから、恭平との連
絡は、禁じる。残りの3日くらい
楽しむがいい」
「……………」
「返事は?」
「……………かしこまりました」
―――1人のメイドに
出来ることなど、
所詮この程度―…。
―――あと3日。
あと3日で、“来月”―…。

