「……だから、話したいことがあ
るの。ちゃんと聞いて?」
「あぁ」

「………あたしね」
「あぁ」

「………実は…」
「あぁ」


「……………妊娠した」
「あぁ」

…………ほら!!

……………やっぱり話、
何も聞いてないじゃない!!


「ねぇ、恭平?聞いてる?」
「あぁ」

…………嘘。

本当は全然、
話なんか聞いてないでしょ?



「…………もう、いいっ!!恭平の
バカッ!!ちなみにあたし、妊娠な
んかしてないからね!!」

…………まぁ…どうせ、
聞いてないだろうけど。



―――話そうと思ってたのに。



………結局、恭平には
何も話せずに、
この日は終わった―…。



もうホンッ…ト、

信じられない―…。