「恭平!!! 行け」

李玖がそう言った瞬間、
空気が凍った。

…………気がした。


「………。 わかったよ。クソ」

―――仕方なく俺は、
部屋をあとにした。


………昔っから、李玖にだけは、
絶対に逆らえない俺。

ただ単純に、怖いってのも
あるんだけど…。


それだけじゃなくて…
逆らえない理由がある。


最悪なことに俺は李玖に、
弱味を握られていた―…。