―――潤様は最近、
ご結婚をされた。

お相手は早乙女財閥のご令嬢、
姫華様だ。


それから俺は、
姫華様の専属執事になった。

………が、姫華様は外見こそ
美しいものの、
失礼な言い方になるが、
中身は空っぽな、
そんな方だった。


違う…。姫華様は、
空っぽなんかじゃない。

この婚姻に、
納得していらっしゃらないのだ。


日向家の執事を、
必要としているのだ。


潤様ではない誰か他の人を、
想われているのだ―…。