「恭平様?」

「恭平、でいいですよ。桜木さん


「何か…あったんですか?」

「大丈夫です。行きましょう」

「そうですか。では…」

姫華に会うことに対して、
俺は至って冷静だった。

なのにさっき…
聞かれてすぐに
答えられなかったのは、
脳裏に柚が浮かんだから。

今…俺の中には…
柚が…いるから―…。


だから…戸惑ってる。


柚が好きなことに
変わりはないのに―…。


なんでだ…?