「初めまして、日向 恭平です。
本日からよろしくお願いします。
…………桜木さん」

声をかけたのは、
姫華の専属の執事の、
桜木さんだった。


確か……フルネームは…
桜木…智(サトル)かな…。
(悪いけど自信無い)

「いいえ。こちらこそ、よろしく
お願いします」

挨拶もそこそこに、
屋敷を案内され、
俺の役目も説明された。



―――そのあと。

「姫華様にお会いになりますか?」

………と、聞かれた。

「…………」

正直俺は…戸惑った。
戸惑いを、隠しきれなかった。