お母さんには申し訳ないが、今の状態では食べることに拒否反応がでているので、そのまま残して学校に行くことにした。

「いってきます……」

出掛けの挨拶も聞こえるか聞こえないかの声で発する。

このまま倒れたらどうしよう。

足どりが覚束なくとぼとぼ歩きながら、回転しない頭でそんなことを考えてみる。

ずっと足元ばかりを虚ろな目でぼーっと眺めていたのだが、暫くしてふと前を見てみると目の前の何かとおもいっきりぶつかってしまった。

ドスッ

強く尻餅をついて倒れ込む。

……痛い。

強い衝撃と目眩が同時に私を支配する。

身体を少し起こそうと、腕を支えに力を加え試みていると…

「だ、大丈夫?」

ぶつかった正体のものが私に近づいて心配そうに話かけてくる。

大丈夫ですと答えようとしたがうまく口が動かない。

全く関係ない瞼が私の視界を遮ろうとゆっくりおりてくる。

意識が飛びそう……

「……あ、あの」

ゆっくりと下りてくる瞼との隙間から、ぶつかった正体がうっすらと私の目に映る。

映ったものは…

び、美少年!?

そこで私の意識はなくなった……

………………


………