松中のおばあちゃんが亡くなったという知らせだった。松中のおばあちゃんというのは実家に住んでいた頃に隣に住んでいたおばあちゃんである。ただの近所のおばあちゃんなら母も連絡してこなかっただろうが松中のおばあちゃんは僕が幼少の頃からお世話になった人で両親共働きだったので小さい頃は実家にいるよりも松中のおばあちゃんの家にいる時間の方が長かったくらいだ。それもあってだろうか、おばあちゃんのいなかった僕にとっては実の祖母のような存在であった。
そして子供がいなかった松中のおばあちゃんにとっても孫が出来た感じだったんだろう。僕が大学を卒業し地元を離れて働くときに、松中のおばあちゃんが「向こう行っても頑張るんだよ!」と就職祝いで腕時計をくれた。今日もその腕時計をしている。母からの電話をきり、腕時計を見ていると何故だか涙がこぼれた…。