そんな少女が書いた小さな1つの願い事、それは…



『お母さんが泣きませんように』



少女は気づいていた。


母親が、自分にいないところで自分のことで泣いていることに。



大好きなお母さんだから

自分のことで泣いてほしくないから



小さな願い、たくさんの願いに埋もれないように。


少女は精一杯背伸びして

自分の届く一番高い笹の葉に


小さな手で短冊を飾った。