そんな彼女の願い事。


『友達がいなくなりませんように』



彼女は不安だった。


仲良くなってもすぐにいなくなってしまうこの世界が。


あれ程の悲しみをまた経験するくらいなら、仲良くならなければいいと。


でも、それでも…


誰かを失う事が悲しいことに変わりはないから。


誰も悲しまないようにと。


でも、無理な願いだとわかっているから…


ひっそりと影になるところに願い事を吊るした。