「日下部(クサカベ)。明日一緒に花火大会にいかない?」



私は高校に入学してから、一度も日下部と花火大会に行ったことがない。


二回とも断られ続けていた。


だから今回もいつものように、「無理に決まってんだろ」って。



軽くあしらわれて、友達として…変わりのない日常を過ごすのだと思っていた。


なのに日下部は、少しばかり考えたように電話越しで沈黙を続けた後、



『いいよ』



そう言ったんだ。