私にはどちらも耐えられない。



たくさんの愛と厳しさでここまで私を育ててくれた両親。
まだ親孝行も出来ていないのに…
会えなくなる。


でも、こっちを選んでしまえばもう一生…
リックには会えない。
たった数時間の出会い、でも私にとってはどんな長い時間よりも大切な大切な時間だった。


毎日毎日リックのことを思って会えないことが、触れられないことが、恋が、こんなに苦しくて辛いものだとは思わなかった。

いっそ、こっちの世界を選んでリックのことを忘れてしまえば、こんな苦しさと辛さからは解放されるのかもしれない。

それでこの命あるかぎり、両親のそばで笑顔で居続けることが一番なのかもしれない。



ただそれは、リックのことを忘れられればの話し。


そんなことが無理なのはこの1年間で自分がよくわかってる。


1年間苦しさと辛さに耐えてこられたのは、リックが愛しいから。リックの傍に行けると信じていたから。



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