インターホンが鳴る。
勿論千穂のお母さんの
声がして、
「忘れ物、
しちゃったみたいで」
と嘘をついて家に
あげてもらった。
再び千穂の部屋の
ドアをノックする。
「…はぃ…?」
千穂の小さな声がする
「開けるよ…?」
そう言って返事も
聞かずドアを開けた。
戸惑いを隠せない様子
千穂の目が泳ぐ。
「さっきは…………
ごめん…………」
勇気を出して
重い口を開く。
千穂…………
今俺は謝ったけど、
冗談半分でキスをした
訳じゃないんだ。
順番を間違えた。
と言えば良いのか
何て言えば良いか
分からないけど
とにかく、
自分勝手にキスした事
それを
謝りに来た。
それと
俺の気持ちも
伝えに来た。


