「ほらっ、はやく行くぞ!
学校遅れちゃうだろっ」
翔の言葉で皆が動き出す。

「遅刻したら千穂のせいですから。」
託也が言う。

「ちち違うよっ!
今日ははやく起きたもんっ」
頬を膨らませる。

「見苦しい言い訳はいいんで
はやく乗って?」
自転車にまたがり
託也が荷台を叩く。

「はぁ~ぃ。」
見苦しいというところをツッコミたかったがたしかに事実なので否定できない。

託也が自転車をこぎだす。
毎日3人で通る道。
最近違ってみえるのは私だけ
なのかもしれない。
段々託也に対する思いが
強くなったからかも


しれない…。


どうしてだろう
輝いてみえるのだ。
託也の後ろだと、余計に。

こんなこと無かったのに、
胸が苦しいのだ。
私が託也の事を好きなのは…
前から気付いていた。
でも、こんなに苦しいのは
はじめてだ。

苦しいよ…託也。