いつまでも


託也Side

翔からの誘いを断った。
やっぱりまだ無理だと
思った。
そしてこのまま
あの頃の僕たちには
戻れないのかもしれない
とまで思った。

ならいっそうのこと
中途半端に壊れるより
全て壊してしまった方が
良いかもしれない……。

そんな思いが僕の
頭の中をぐるぐる…

悪い考えだと分かって
いても、

取り巻いて離れない。


「翔…………!」

ふいに翔を呼び止めた。

「ん?」

翔は微笑みながら
振り返る。
優しい笑顔を僕に
見せてくれる。

もしかしたら、
翔の笑顔を
見れなくなるかも…。
しれない。


「翔って、
好きな子。いる?」

翔にとって
予想外な質問だったと思う
目をぱちくりさせている。

「……っどうしたの?
いきなり、変な奴」

吹き出して、笑われた。

「いるんですか?
いないんですか?」

しつこくきく俺。

すると、足を止め
僕の目を見た。

「いるよ…………」

真剣なまざしをして
答える翔。