庶民♀♂御曹司【短編】





「光芽…」



なんで、オオカミなんて思ってしまったんだろうか…。



こんなに私を思ってくれてるのに。



…足りない。


私は光芽が足りない。



…愛が欲しい。



光芽が愛しくてたまらない…。



オオカミは私かも知れない。



私は光芽の腕をほどき、膝から降りた。


私の行動を不安そうな瞳で見る光芽。



不安にさせてしまっている…私が…。



私は一回深呼吸をし、心を落ち着かせた。



そして、光芽に抱きついた…。


今まで離れていた長い時間と。私が光芽を不安にさせていた時間を埋めるように…。たいして強くないけど…。自分の中では力いっぱい抱きしめた

つもり。