光芽はクスリと笑うと、階段を一段飛ばしで登っていく。
結衣の部屋の前につくと光芽は一回ノックした。
そして、呼びかけてみるが応答は無い。
「結衣…………開けろ…開けてくれ………」
どんなに頼んでも、結衣の泣き声しか返ってこなかった。
光芽は苦笑いを浮かべると、ズボンからスペアの鍵を取り出す。
「あんま、使いたくないんだけどな…」
光芽は呟きながら、結衣の部屋を開けた。
「いい加減学習しろよ。俺がスペアキー持ってること」
「………出て行って。」
「結衣………」
「ごめんなさい。
何にも知らなくて。
今度から気をつける…
今日は、もう寝たい」

