結衣は後ろを振り返って目を見開く。 「こ、こぉが?」 「誰が馬鹿だと? もう一度言ってみろ」 結衣は涙を拭くと、走って光芽の横を通り過ぎる。 「おいッ結衣!」 光芽は、階段を駆け上がる結衣を追いかけようとするが、足を止める。 今まで感じ無かったニオイが、鼻をくすぐる。 「あめぇ。チョコレートか………」 光芽はグシャグシャになった菓子類を見つめて、すべてを理解する。 「はぁー。 そういえば、結衣に言って無かったな」