「ええええええ~?!?!?!?まじで?!」

 さっきの出来事を胡葉に伝えるとこの驚き様。

「ほ…本当だよ、すっごい恥ずかしかったんだから~」
「それは…すごすぎるよ。あの滉平さんに話しかけられたんでしょ~?」
「う…うん。」

 さっきの緊張がまだ糸を引いてるみたいでカバンを持つ手にチカラが入らなかった。

「じゃあ、次はアドレスだね。」
「ややややややや、無理でしょ、恥ずかしくて死ぬっつうの。」
「だあいじょうぶ、憩ならいけるってば。」


 メール…
 すっごいすっごいしたいけど…
 恥ずかしくてアドレスなんて聞けないし
 もし断られたらショックだし…


「胡葉、ちょっとそれは…。」
「あ、いい考えがあるんだけど。」

 あたしの話を切るように胡葉が言葉を発した。

「いい考え?」
「考えって言っても、アドレス聞くための口実。」

 胡葉の提案は、バスケのことを聞きたいって言えばバスケ好きな滉平さんは
 きっと快く教えてくれるだろう、と言うことだった。

「でも、どうやって聞くの?誰か友達で知ってる人いる?」
「はあ?何言ってるの?普通に考えて直接でしょ。」
「ちょ、直接?む…。」
「ほら、そうやってすぐ無理無理言う、悪い癖。」

 うっ…
 そういうこと言われると…。

「じゃあ、次見たとき、声かけてみる。」
「お、言ったね、憩チャン♪」
「も~、なにそれ!!」




 嫌だ嫌だって言ってたけど


 次会えるのはいつかな、なんて期待してるあたしが



 心の片隅にいた。