キーンコーンカーンコーン…



 授業終了の鐘がなった。

 あたしは急いで体育館に向かう。

「憩」

 呼び止められた方を向くと胡葉がいた。

「どんだけ早く行きたいんだよ~」
「だってさ~」
「はいはい、分かってますって。」



 体育館には案の定誰もいなかった、
 入るだけで汗をかく体育館は部活のやる気を一気に奪った。

「いないね。まあ、待とうか。」
「あ、でもさ、今日うちっち前半外じゃん。」
「あ~そっか、じゃあいこ。」

 滉平さんが部活に来る日は誰よりも早く体育館にいて
 フリースローを練習している
 だから、今日は来ないって分かった、
 

 せっかく今日は会えると思っていたのに。
 期待を裏切られた感じがしてあたしはため息をついた。

 










「お願いします。」

 灼熱の太陽の下、顧問に挨拶。
 今日もどうせ3キロとか走らされるんだと思うと
 今すぐにでも帰りたくなった。

「今日は、体育館で男バスと練習試合だ。」

 走らない、と言うことが分かってちょっとだけ嬉しくなったけど
 どうせ今日は滉平さんはいない。

「憩、今日来てればよかったのにね。」
「うん~、なんで今日に限って来てないんだろう…。」

 


 やる気をなくしたあたしと胡葉はしぶしぶ体育館に向かった。