もしも世界が廻るなら




「私、治らない」


ぽつり。

ミソラはまた窓の外に視線を投げた。


「なに言ってんだ、きっと治る」


「今まで治らなかったのに?」


「だから今から治るんだよ」


「そんなわけないよ」



最近の彼女は、なんだか暗い表情ばかりだ。

僕が訪ねてきてもこんな風に上の空。



実際、彼女の病は治る見込みがなく、いつ何が起きてもおかしくないから覚悟しておけと医者に言われた。