もしも世界が廻るなら




「海、行きたいな」


「身体に触るだろ。
病気が治ったら連れてってやる」


「じゃあ空に行きたい」


「治ったらな」


「カイトの意地悪」



むーと頬を膨らませるミソラ。


「辛抱しろよ、もう子供じゃないんだから」


僕はあくまで明るく言った。

けれどミソラは余計に眉間に皺を寄せる。


「私、まだ子供だから。
変われって言われても変われないよ」


「………」