日は沈んだ。

空も海も藍色。


聞こえるのは波音だけ。

香るのは潮風だけ。



白い砂浜の上で、初めて抱き寄せた美空の体温は、段々と風に溶けて失われていく。



行くんだね。

見送りに間に合ってよかったよ。



寂しくはないよ。

いつかまた逢えるから。