「次に生まれてくるまでにきっと何十年も何百年もかかるかもしれない。
生まれ変わっても人間じゃないかもしれないし、海斗とは離れた所に生まれるかもしれない。
でも、それでも」
空と海があり続けるように、世界はこれからもあり続ける。
形を変えても、色を変えても、世界は廻り続けて何年先も続いていく。
もしも世界が廻るなら、いつか、巡り合えることもあるでしょう?
「私いつか絶対海斗のところに帰ってくるよ。
何年かかっても絶対に。
だからね、それまで好きな人できていいし幸せに生きていいから。
それでいいから、私のこと絶対に忘れないで」
消え入りそうな、涙に埋もれそうな声で美空は言う。
強がり、不安なら言えばいいのに。
今にも色素の薄い唇から、悲しみや恐れが漏れだしそうで。


