もしも世界が廻るなら




「少なくとも人の命はそうやって廻ってるって信じてる。

じゃないと報われないもん」



急に寂しげな色を帯びて、美空は話を続ける。

冗談なんかじゃない、のは充分にわかっている。



「だからお墓に埋められたら生まれ変われないもんね」


ニコッと笑って美空は上半身を起こした。



意外に元気、かと思えば、急に彼女は三角座りの体勢になった。

膝の中に顔を埋めて、ずっと身体が小さく見える。




「海斗…」


「ん」


「好きだよ」



ぽつり。


落ちたのは水。


砂に埋もれて、すぐに消えてしまう涙。