もしも世界が廻るなら




「人はね、土に還ったら砂になるんだ。」


「砂?」


「そ。砂なら軽く飛べるでしょ」



そりゃそうだ、同意せざるをえないがそれが何だと言ってやりたい。



「砂になったら、今度は旅をするんだよ。

風に乗って空に舞い上がって、そのまま海に墜ちて波に流される。

海の底で、何年もかけて世界中を廻って、そしていつかはお母さんのお腹の中に戻ってまた人間として生まれてくる」



「…まるで北欧神話だな」


「馬鹿にしてる?」


「いーや」