もしも世界が廻るなら




ふと、駆け抜けるような風が吹いた。

なんだ、僕を責めてるみたいじゃないか。


思いの外強く吹いた風に押されて僕はバランスを崩して立ち上がった。



見上げた視界には、燃えるような紅葉。





「……あ」



風に吹かれて紅葉が飛ぶ。


あ、知ってる。

ここ以外にもう一つ、ミソラと見たことがあるこんな景色。


燃えるような視界。


寄せてかえす枝と飛沫をあげる紅い葉。



まるで、夕方の海みたいに。