「カイト遅い!待ちくたびれた!」


ビシィと決めながら僕を指差す彼女、しかしベッドの上の所為か迫力に欠ける。


「あのねミソラ。
お見舞いに来た人に向かって遅いとは」


「メロンメロン!
早く切って、カイト!」


「メロンかよっ!」



彼女の視線は、完璧に僕ではなく手元のビニールに入ったメロンに行っている。

何度も言うが僕はお見舞いで来ている。

ミソラのためにメロンを貢ぎに来たわけじゃないぞ。