僕はミソラが言っていた紅葉名所まで飛んできた。

電車で約…あ、忘れた。

とにかく長かったように思える。



早く、早く早く早く早く。

気持ちばかりが先走る所為か窓の外の景色が遅く思えた。


苛ついて歯軋りをしてみたり。


さっきから拳の力が抜けなくて、怒ってるんだな、なんて客観的に考えたり。



誰に対しての怒りかは知らない。


でもミソラが誰かに攫われて、泣きながら助けを待っているんだと思いたかった。