不幸のち幸せ


天志 仁奈。

これが私の名前。一番最初に名前を紹介したのは、理由がある。

それは……――
「仁奈、あぶない!!」

ボフッ…

バスケットボールを顔面キャッチ。

そう、私は《てんし》という名字がついていながらとても不幸な女。

「大丈夫?…仁奈はやっぱり不幸天使だね?」

ケラケラ笑いながら私に手をだすのは唯香。ひりひりする鼻をこすり、私は唯香の手につかまる。

「わりー。誰?」
そんな声をあげて、私の方へ走ってくる男子。もー誰よ!!って最初は睨んでたけど、その男子は…大杉海斗。ちょーモテモテの人じゃんか!!
私は慌てて顔を下に向ける。

私、この人苦手なんだよね…

「ねぇ、君大丈夫?…天志…にな?」

「天志に、い、なです。」

「あ、仁奈って呼ぶんだ。」

なんだこの人!?人の名前間違えて笑顔か!?

しかもさっきから、人のジャージ見てるし!!なんなんだこの男!?

「《天志》ねぇ…フッ」

「は…い?」

い、今この人鼻で笑ったよね?
私の名字を笑っ…た。

「じゃーな、仁奈。」